メールマガジン

デジタルが苦手な歯科領域

みなさん、こんにちは。三軒茶屋マルオ歯科院長の丸尾勝一郎です。前回のメルマガでは「デジタルが得意な歯科領域」について述べさせていただきました。今回は、前回の続きとして「デジタルが苦手な歯科領域」についてお話したいと思います。

「デジタルが苦手な領域」を考える前に、基本的なデジタルワークフローの流れを確認したいと思います。すべてのデジタルワークフローは以下の3つのステップで完結します。

(1)生体情報のデジタル化
(2)コンピュータソフトによるデザイン(CAD)
(3)加工機(ミリングマシンまた3Dプリンタ)による製作(CAM)

デジタルが苦手な領域を考える際に、(1)の「生体情報のデジタル化」という部分が非常に重要になってきます。なぜなら、生体情報をデジタル化できない部分=口腔内スキャナでスキャンできないもの=デジタルが苦手な領域、となるからですね。

口腔内スキャナでスキャンできないものとは具体的にどんなものがあるでしょうか?口腔内スキャナの原理は、多くが静止画を高速で撮影しつなぎ合わせるというものです。したがって、カメラと同じで「見えないものは撮れない」「動いているものはブレる・撮れない」ということになりますから、以下のようなものは撮影が難しいと言われています。

-唾液や血液が付着している部位
-歯肉縁下0.5mm以下のマージン部分
-ポストコア
-可動粘膜や舌→筋形成が必要な有床補綴

また、以下のように顔貌など口腔内以外の情報から決定する要素もデジタルがに苦手な領域と言えるでしょう。

-咬合平面
-正中線
-インサイザルエッジポジション
-前歯部の歯牙形態

しかしながら、これらは今後フェイシャルスキャナの登場によって、「顔貌」という3つ目の生体情報のデジタル化が可能となることが予想されますので、今後が楽しみです。

また、最新のエビデンスではフルアーチ印象における精度は、いまだにシリコン印象材による印象の方が光学印象よりも優れているというデータが示されていますので、精度が求められるフルアーチ印象には注意や工夫が必要となります。

今回は「デジタルが苦手な歯科領域」として、口腔内スキャナの弱点についてお話しました。次回からは新シリーズ、「歯科というビジネスモデルの再考」についてお話していきたいと思います。

<編集後記>
口腔内スキャナの適用範囲は現在自費診療のみに制限されていますが、いよいよ保険収載の噂がまことしやかに囁かれています。おそらく、来年の4月にCAD/CAM冠の印象として、光学印象が保険適応となる可能性が非常に濃厚なようです。私が聞いた情報だと180点と言われています。さて、これは果たして高いのでしょうか?低いのでしょうか?口腔内スキャナのコストパフォーマンスを考える必要がありそうですね。

300万円の口腔内スキャナを購入し、5年間で償却・月に20回(1日1回)使用した場合の1回の償却料は約3000円という試算ができます。したがって、保険収載時の1800円は決して低くはないと思います。もともと保険外のセラミックやCAD/CAM冠が多い医院では十分に元が取れるのではないでしょうか。ぜひ、これを機会に口腔内スキャナの導入を真剣に検討してはいかがでしょうか?dot2dotを介して購入していただくと、割引特典などがありますので、購入の際はぜひお気軽にご相談いただければと思います。

セ┃ミ┃ナ┃—┃情┃報┃
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新潟:2019年6月23日(日)13時〜16時:NEXT21 サービスセンター
岩手:2019年7月21日(日)13時〜16時:マリオス183会議室
広島:2019年8月18日(日)13時〜16時:RCC文化センター602会議室
鹿児島:2019年9月1日(日)13時〜16時:サンプラザ天文館E-5
札幌:2019年10月20日(日)13時〜16時:TKP札幌駅南口カンファレンスセンター ミーティングルーム3B
金沢:2019年11月4日(月祝)13時〜16時:地場産業振興センター第8会議室
名古屋:2019年12月15日(日)13時〜16時:安保ホール101号室

申し込みは下記URLよりご応募下さい
https://www.d2d-seminar.com/

D.┃M.┃R.┃研┃究┃所┃
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第2回目:7月18日(木)20時〜@大崎(TUNNEL TOKYO)https://tunnel-tokyo.jp/Home/

d┃2┃d┃所┃属┃タ┃レ┃ン┃ト┃
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9月2日(月)リリース予定

そ┃の┃他┃情┃報┃
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歯科医師と歯科技工士を繋ぐクラウドソーシングサービス(STRING)開発中