メールマガジン

歯科におけるマーケティング戦略4

こんにちは。dot2dotの井手でございます。

今回のメルマガでは「歯科におけるマーケティング戦略」の最終フェーズ、展開(マーケティングミックス)についてご説明させていただきます。前回までの環境分析・STP分析では、「確実に勝てるバトルフィールド」を設定し、ターゲットと市場でのポジショニングを明確化しながら、自院の価値をさらにブラッシュアップする工程とノウハウをお伝えしました。

最後の展開フェーズとは「商品コンセプトを元に最適施策を考える」事です。今まで分析してきた事を実際の活動に落とし込むフェーズです。このフェーズではマーケティングミックスと呼ばれるフレームワークを使用します。通常は4P(Product/Price/Place/Promotion)を軸に考えていただく事が最も基本的な考え方になります(他にも4Cなどのフレームワークもあります)それでは早速4Pを具体的に見ていきましょう。

【Product】プロダクト、即ち製品・サービスの事ですが、マーケティング的に捉えるとプロダクトとは「価値の集合体」という事になります。例えば皆さんがいつも使用しているノートパソコンを例にすると、ノートパソコンの中核となる価値はドキュメントの作成や、ネットが使える事になります。実体としては長時間バッテリー、軽い、丈夫、高スペックなど、サービスを構成している価値が要素としてあります。最後にそのノートパソコンに付随するようにカラーバリエーションやメーカーの独自の意匠など、サービスの魅力をより高める価値があります(価値が積み重なっているイメージです)。このProductで考えるキモは、「どこで勝負をかけるのか?」です。ご存知の通り、ノートパソコン市場は既に成熟しており、どこも同じような製品ばかりです。中核や実体ではもはや勝負はつきません。では付随で勝負をするのか?中核をドラスティックに変えるのか?という考え方に代わってくるのです。単純に「ノートパソコンを売ろう」ではなく、そのノートパソコンの何を価値として提供していくのか?そこまで踏み込んで考えていただければと思います。

【Price】4Pの中で最も重要なP、それがPriceです。なぜか?それは、突き詰めていくと他の3Pはすべて “コスト“。売上に直結するのは “Price” だけになるからです。マーケティング的には価格設定や価格変更は一番慎重にやるものです。価格を決める観点は大きく3つ。

1.コスト積み上げ方式 (自社視点):コストにいくら利益を積むか?赤字は出にくいし、一番堅実。

2.カスタマーバリュー方式 (顧客視点):その製品(価値)に対し幾らなら払うか?ユーザ調査×0.8。一番低く算出されます。

3.競合比較方式 (競合視点):競合が100円なら、うちは最低でも100円以下でしょう!的な発想です。

実際のプライシングでは、どれか一つを選ぶ、という話ではありませんので、3つの視点をすべて考え、慎重に価格を設定してみてください。余談ですが、市場にない、新製品・サービスを導入するとなった際はスキミングやペネトレーション戦略といった別のプライシング方法がありますが、これはまたの機会にご紹介いたします。

【Place】マーケティングが価値の交換活動ならば、売り手と買い手の価値を結び付けることがPlaceになります。提供する製品・サービスによって最適な流通チャネルは当然異なりますし、Placeは価値を最大化させます。じつはこのPlaceが4Pの中で最も厄介といわれています。なぜならば、それは他者が介在するからです。コントロールが効きにくく、むしろ相反することもありえます。競争優位性や参入障壁にもなりますが、解消やスイッチが非常に難しいのがPlaceです。「価値」が最も伝わる接点はどこか?を突き詰めていただければと思います。

【Promotion】よく「プロモーション戦略」と耳にすることがありますが、これは「コミュニケーション戦略」と言ったほうが正確です。自院が顧客とコミュニケーションを取って顧客の態度変容を促すからです。ADIMA、AMTUL、AARRRなどの態度変容プロセスのフレームワークは数多くあります。そして、時代の流れに合わせてフレームワークも急速に変わっています。今回はAMTULのフレームワークに沿って1例をご説明いたします。例えばAMTULのフレームワークを使用するとAwareness(認知)→ Memory(記憶)→ Trail(試用)→ Usage(原利用)→ Loyalty(愛用)という態度変容を促します。広告で認知をさせ〜対面での会話で記憶させ〜のように態度変容プロセスのファネル毎に打つべき施策を管理していきます。フレームワークに正解・不正解はありませんが、態度変容の流れを途切れさせない事が設計していく上で非常に重要になります。あくまでも対人間に対してのコミュニケーションになるので、共感してもらうような言葉やビジュアルで表現する事が求められます。

いかがでしたでしょうか?全3回をマーケティング戦略の一般論について述べさせていただきました。一消費者としても、TV CMや雑誌広告を始めとする、面白そうな宣伝を目にする事が多くあります。その時に自分が思ったこと、感じた事が実はマーケティングを組み立てていく際に重要になってきます。言わずもがなですが、なぜなら顧客も同じように感じる可能性があるからです。

突発的なアイディアや企画ではなく、裏打ちを持った緻密なマーケティング戦略を立てることで、歯科医院、ひいては歯科業界がより豊かになっていくことを心より祈っております。少しでも皆様のマーケティング戦略のご参考になれば幸いです。

セ┃ミ┃ナ┃—┃情┃報┃
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岩手:2019年7月21日(日)13時〜16時:マリオス183会議室
広島:2019年8月18日(日)13時〜16時:RCC文化センター602会議室
鹿児島:2019年9月1日(日)13時〜16時:サンプラザ天文館E-5
札幌:2019年10月20日(日)13時〜16時:TKP札幌駅南口カンファレンスセンター ミーティングルーム3B
金沢:2019年11月4日(月祝)13時〜16時:地場産業振興センター第8会議室
名古屋:2019年12月15日(日)13時〜16時:安保ホール101号室

申し込みは下記URLよりご応募下さい
https://www.d2d-seminar.com/

D.┃M.┃R.┃研┃究┃所┃
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第2回目:7月18日(木)20時〜@大崎(TUNNEL TOKYO)https://tunnel-tokyo.jp/Home/

d┃2┃d┃所┃属┃タ┃レ┃ン┃ト┃
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9月2日(月)リリース予定

そ┃の┃他┃情┃報┃
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歯科医師と歯科技工士を繋ぐクラウドソーシングサービス(STRING)開発中