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歯科業界における医院経営の 立ち位置について

こんにちは。

この度dot2dotフェローにご指名頂きました
大石と申します。

現在、医療法人として8つの歯科医院、
2つの技工所を運営する傍ら、
飲食店やコンサル会社などを経営しております。

こういう自己紹介をしますと、
診療なんかしないで経営だけをしている人
なんじゃないかと思われることも多いのですが、
実際には週4日朝10時〜夜9時まで
ドMな感じで治療している普通の歯科医師です。

日々、保険治療からインプラント、矯正、
デジタルまでオールジャンルの診療をしています。

ですので、僕はエンドやペリオなどの歯科治療に
関する話が大好きです。

ただdot2dotフェローの面子をみますと、
どう考えても僕が治療の話をする隙はないようで、
今回はおとなしく医院経営に関する内容を
書かせて頂きます。

最初に、歯科業界における医院経営の
立ち位置について少し考えてみました。

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」(二宮尊徳)

僕の好きな言葉です。

この言葉の通り、
歯科医院を運営していくうえで
理念とか治療技術はもちろんですが、
経営もそれと同じくらい
大事なものだと思います。

「会社と歯科医院では違うでしょ!」との
ご批判もあるかもしれません。

ただそれを差し引いても
歯科業界における経営って、
怪しくてキナ臭いものとして扱われ過ぎて
いる感じがします。

経営に興味はあるけど、
なんとなく敬遠してしまうドクターも
多いのではないでしょうか?

たしかに歯科経営セミナーって
「たったこのカウンセリングだけで
インプラントが月10本増える!」みたいなものも
結構ありますよね。

昔、週刊誌の裏表紙に載っていた
安っぽい広告を思い出します。
不細工な男がお金のお風呂に美女二人を侍らせて
「このネックレスを買ったらこんな幸運が!」
みたいなやつ(笑)

もしくは他業種のコンサル出身の人が、
ドラッカーとかポーターを持ち出して
小難しい経営戦略の話をしたりしているものも
ありますね。

きっと有益なものもあるのでしょうが、
まさに玉石混合の状態で僕はこういう
経営セミナーにはほとんど参加したことが
ありません。

そもそも歯科医院経営って、
よほど大きな医療法人でもなければ、
町のラーメン屋とか花屋の経営と
同じようなものじゃないでしょうか?

あまり難しく考えず、
経営者が目の前の患者さんやスタッフに
どれだけ喜んでもらえるか、真摯に考えて
行動することが一番大事な気がします。

院長がそういった努力を怠ったり、
嗅覚が鈍ったりしたら医院はおしまいです。

ですから僕自身、
いつまでもひとりの歯科医師として
医院の最前線で診療をし続けますし、
診療を辞める時は理事長を辞める時だと
決めています。

そう考えると、
歯科の経営って全然怪しげなものじゃないし、
すごくシンプルなものだと思います。

では具体的に、どうやって患者さんや
スタッフに喜んでもらうのか?
これは自分(開業医)が担うべき役割を
整理して考えると分かりやすいと思います。

僕も含め、多くの開業医は、
「歯科医師」「院長」「医院経営者」
この三役を担う必要があります。

野球で例えるなら、選手、監督、
球団経営者の3つですね。

一人で、松井選手と長島監督、
渡辺恒雄球団社長を兼任するわけですから、
そりゃあ大変です。

選手として治療技術や知識、
そして優しさや人柄で患者さんを魅了する。
監督としてスタッフを教育し、
メンタルフォローし、医院をまとめていく。
そして社長としては広告戦略や求人、
診療システムを考え医院を発展させていく。

開業医は一人でそれぞれの立場から、
患者さんや医院のことを考え、
行動していくことが求められます。

ただ時に、
この三者は利害が相反することもあります。
診療時間を何時までにするのか、
とかどこに設備投資をしていくのか、
スタッフを何人雇用するのか、
なんていうのがまさにそれです。

こういう時こそ、
どれか一つの役割に偏ることなく、
三つの立場からうまくバランスをとった
経営判断をしていくと医院はうまく
まわっていくのではないでしょうか?

少し長くなってきたので、
踏み込んだ内容は次回以降にさせて頂きます。
医院経営に関する具体的な質問などございましたら、
是非お寄せ下さい。
このメルマガで取り上げさせて頂きます。